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教える難しさ

 昔は想像もしなかった便利な家電製品が次々と世に送り出されています。ビデオが普及したての頃、録画予約のできない親に「???」という視線を向けていた私ですが……歳を重ねた今ではもう、そんな親の仲間入りを果たしています。

 さて、スマホにパソコン、TVに電子レンジ……購入した際、分厚い説明書すべてを熟読したことがありますか?

 小2の塾生がいます。算数は大好きで、なかなかのものです。そんな生徒が「算数がつまらない」と言うのです。聞けば学校の授業のことで、九九がつまらないとのこと。2の段、3の段……と覚えているそうで、それがつまらないと言うのです。

 2+2+2+2+2=10

 2が5個あると10だよね

 これを2×5=10とするんだよ

 もちろん、こんな風に具体例を示しながら丁寧に教えているはずです。ではなぜ、算数大好きな子がつまらないと感じるのでしょう?

 おそらく、その使い道や便利さをまだわからないからでしょう。それを知らずに、とりあえず覚えましょう……これは嫌です。

 説明書を十分読んでから家電製品を使うという人はあまりいないはず。使いながら、必要に応じて、困ったときに説明書を利用する人が多いのではないでしょうか。その生徒は、「九九を覚える=便利さもわからない家電製品の説明書を読んで覚える」、このくらいの苦痛を感じているのでしょう。

 そこで硬貨を24枚用意して、それを数えるよう指示してみました。当然、1、2、3……と1枚ずつ数え始めました。次に、24枚の硬貨で四角を作るよう指示しました。すると、3×8列や4×6列に気付き、九九の便利さを少しは感じたようでした。ついでに12×2まで覚えていました。

 「人に教えるって本当に難しい」。そう感じた出来事でした。

<諏訪市の学習塾 宮坂算数数学塾>

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