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必然の一致

 中3生にとって、12月の3者面談までに残された総合テストはあと2回。疲れた顔やあきらめ顔、かと思うと引き締まった顔や満面の笑顔……会うたびに様々な表情を見せてくれます。おそらく、彼らが生まれて初めて迎える分岐点。でも、大変だなぁ……とは思いませんし、楽はさせません。翼を広げて受け止めろ!!と愛情いっぱいの向かい風を送り続けます。

 ところで、授業で扱った問題とまったく同じものが学校の総合テストで出る。これが意外とよくあるんです。先月のある生徒の数学のテストでは、大問1つ+数問が一致し、実に30数点分が重なりました。

 当塾のこの時期の中3生は、全国公立校の過去問からチョイスした授業内容が中心となります。できるだけ少ない問題数で幅広い知識を確認できる……すべてに目を通し、当然そういった良い問題を選びます。もし、学校の先生も同じ視点で、全国公立校の過去問を見ているとしたら……。

 家族や学校の先生、ついでに塾の講師も……受験生には、多くの人から愛情を注がれていることを忘れないで欲しい。ただ、「愛情=優しさ」ではありません。厳しい要求をされるかもしれないし、時には突き放されるかもしれません。様々な表情を見せながらで構わない。周りから注がれる愛情を翼いっぱいに受け、強く飛び立って欲しいと思います。

 学校のテストと授業の問題が一致するたび、「受験生って愛されてるんだ」と感じずにはいられません。

<諏訪市の学習塾 宮坂算数数学塾>

使用上の注意

 首都圏の中学入試問題に取り組む生徒。スラスラと解き進めていましたが、1つの問題で詰まってしまいました。観察すると、ある1つの解法=公式めいたものにこだわり苦戦しているようでした。「無理だろうな」とは思いましたが、それは伝えません。結局そのままタイムアップ。

 車を使う大人は、ほんの近所でも車で出掛けます。早いし楽だし、とにかく便利です。算数の解法や公式も同じく便利ですが、やはり場面に応じて適するものを選ぶ必要があります。

 先述の生徒は、言うならば車で川を渡ろうとしていたのです。乗り物つながりで、船ではなく車を選んだのでしょう。そして車にこだわるあまり、「泳ぐこと、遠回りして橋を歩いて渡ること」という他の手段が遮断されてしまったのです。

 解法や公式を教える際は、その性能や用途をきちんと教える必要があり、何よりそれらを理解できる段階で与えなければいけません。そしてもっと大切なことは、公式や解法を教える前に、図表で考える、可能性を書き出して考えるといった算数の力を十分に磨いておくことです。

 「車」の前に、十分すぎるくらい「歩く」ことをさせましょう。

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人に説明できてこそ

 楽しい小学5年生の授業風景より。

 同じ問題を、まったく異なるアプローチで解く2人に目が止まりました。1人は式と言葉のみで、もう1人は図のみで考えており、答えに近づく手順もまったく正反対でした。見ている私は楽しくて仕方がありません!!早速、1人ずつ黒板で説明してもらいました。

 「間違ってないよな?この説明でしっかり伝わるかな?」と、説明する生徒の頭はフル回転。いつもより小さい声が愛おしくなります。一方、聞く方の生徒も「こんな考え方があるんだ!!」と、自分のアプローチに自信は持ちつつも、異なる考え方に感心している様子でした。

 算数は、答えは1つですが、解法はいくつかあるものがあります。またアプローチも、式や言葉・図と様々です。「こうしなさい」と強制することはしませんが、人に説明できるように深く考え、整理することは要求します。

 子ども同士が自分の考えを説明し合う環境。できる限り大切にしたいと思います。

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「解りかけ」が美味

 当塾の水曜日は、原則中学生対象の自由に通える自主学習デイとなっています。生徒にとっては唯一質問ができる日であり、私にとっては生徒の学習状態を確認できる日であります。そんな水曜日の授業風景より。

 3時間ずっと、2次関数の発展問題に挑戦し続ける中3生がいました。教室の問題集から類題を探しては解きの繰り返し。正解率は中の上。すんなり解ける訳ではありませんが、でも苦手だからと集中的に学習している訳でもありません。その証拠に1回も質問してきませんし、とにかく集中力が凄い。

 楽しいから解いているのです!!

 2次関数の基本をマスターし、発展問題と十分戦えるんだけどなかなか勝てない……でも勝ち筋は見える!!この状況が彼女の知的欲求を刺激し奮い立たせるのでしょう。「食べ物は腐りかけが一番美味」と言いますが、それに近いのかも知れません。学習も「解りかけが一番楽しい」のです!!

 丁寧に教えすぎると、それは害悪となる。常に生徒を「解りかけ」の状態に置き、生徒の考える楽しみを奪わないこと。このことの大切さと難しさを改めて感じた、そんな水曜日でした。

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友を鏡に自分を磨く

 皆さんは、鏡なしに身だしなみを整えることがありますか?父親であればひげそりを、母親であれば化粧を、鏡なしにはできないはずです。

 子どもたちを見ていると、共に学ぶ友を意識せずにはいられないようです。より速く、より正確に!!はもちろんのこと、少しでも変わった・目立つ解き方をしたいという姿勢すらうかがえます。

 動物は群れの中で自分を磨くもの。他者より優れていると思えばそれを誇りさらに磨きをかけるでしょうし、劣っていると思えばそれを克服しようと努めるでしょう(諦める場合もありますが)。競争の中で、友を鏡として自分の長短を認識し、どう生きるべきかを探ることは本能だと思います。他者をおとしめることは許しませんが、競争自体はプラスに働くと考えます。

 1人1人に適した個別授業。ときには必要ではありますが、皆で同じ問題に向き合う中で、友は鏡となり、自分を高める貴重な存在となるのです。

 ちなみに、鏡を見ずに身だしなみを整える人を「井の中の蛙」と呼ぶのでしょう。

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中3生の総合テスト対策

 夏休みが明けてから1カ月ちょっと。中3生は今、2回目の総合テストを迎えています。今後も1カ月ごとに総合テストが続きますが、テスト勉強はどうすれば良いのでしょうか?悩むところです。日々の授業内容と1・2年の復習と……。あっちもこっちもと取り組めば良いのでしょうか?

 当塾の中3生は、意外やどっしりと構えています。

 もう少し頑張れよ……と思うくらいですが、計画を示したことが大きいのでしょうか。「来年の1月末までに必要なことは全部扱うから、塾で出す問題をできるまで何度でも反復しろ!!」と、生徒には言ってあります。

 1回のテストで結果を求める気など毛頭ありません。大切なのは、学習したことが無駄にならないこと!!積み上がっていくかが重要なのです。

 すでにテストを終えた中3生の結果を見ると、授業で扱った内容は伸びています。一方、扱っていない内容は全然でした。これでもいいと思います。本番までに全部扱うのですから。

 「やったことはテストに出るし、当然伸びる」+「必要なことは入試までに全部やってくれる」 この体験と示した計画とが、生徒が安心して学習に集中できる環境を生み出すのです。

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子どもが教える機会を!!

 高校生をメインに教えていた頃。教師と言えど、すべての問題を簡単に解ける訳ではありません。難問にぶつかると、私は教えなければと必死に考え、一方の生徒はわかり易い解説を待っている……という状況が度々ありました。

 結果、教える立場の私の頭が良くなり、教わる立場の生徒は私ほどは伸びなかったこともあったなぁ……と思い出されます。

 親が子どもに教えるとき、「ここは?」「次は?」と尋問形式になってはいませんか?親が考えた道筋に子どもを引き込んではいませんか?

 親が質問するとき、子どもの思考は止まることが多いのです。結果、一生懸命な親ばかりが賢くなり、子どもは伸びないということもあります。

 つまり、教わる方より教える方が賢くなるのです。

 子どもと学習するとき、ぜひ子どもが説明する機会を増やしてあげてください。「どうしてこうなるの?」とか「わからないから説明して?」とか、子どもから解説を引き出す工夫をしてあげてください。親にとっては我慢の連続ですが、解決を急がず、子どもの考える速度に合わせて待ってあげてください。

 子どもはいつでも一生懸命考えます。説明しようと頭の中を整理します。この繰り返しが賢い子どもを育てると、私は信じています。

 当塾では、子どもによる授業も行います。子どもは指定された範囲を隅々まで学習し、満足させる授業をしようと精一杯考え抜きます。この姿勢こそが成長を加速させるのです。

 教えようという姿勢が深い理解を促し、賢い子どもを育てるのです。

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すべての必要が発明の母ではない!?

 「例えば56の約数とか……すぐにわからないんだ。」

 小学校高学年の生徒がつぶやくように言いました。7×8とか九九のレベルではなく、14×4=56の14がパッと出てこないといったことのようです。

 「慣れだよ。そのうち覚えるし、出てくるようになるよ!」最終的にはこれに近い形になるでしょう。ただ、どう慣れてどう出てくるようになるのか導きが大切になります。

 14×4=   これは誰でもできるでしょう。

 56÷14=  これも問題ないでしょう。

 ×4=56  これは56÷4と変わりません。

 どれも1つに決まる答えを求めるだけなので、ほとんど考える必要がありません。したがって練習効果はあまりないと思います。

 私は、×=56を考えさせます。

 ……何も解決になっていませんよね。でもやはり、解決は生徒の頭でしてもらいます。ただ、そのためのステージとして面積パズルを与えます。楽しいパズルで脳をフル回転させて、約数の組み合わせすべてに自分で気付くことを迫ります。また、機を見て×××=56を問い、素因数分解へとつなげていくでしょう。

 一生懸命教えたら、重要だと伝えたら、生徒は覚えてくれるという訳ではありません。右から左ということも往々にしてあります。やはり覚えるのは生徒自身。「必要は発明の母」と言いますが、「必要」を効果的に迫ることで「発明」を引き出したいと常に考えています。

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飛躍の一歩

 算数が大好きな小学5年生がいます。その子の授業にて……。

 つるかめ算の復習テストをしました。前回も前々回も与えた問題の数値を変えただけのテストです。「できて当然!」と思うかもしれませんが、そこそこの難問かつ私が丁寧に教えないので、なかなか思うように解けません。「今回もダメか……」と、私が諦め顔になりかけたそのときです。

 「そうか!!」と、生徒の大きめの声が聞こえました。

 この生徒は問題を考えながら、「こうなって、こうなる……」などと独り言を言うクセがあるのですが、明らかにそれとは違いました。自分の間違いに気付き、正解への道筋がはっきりと見えたのでしょう。その後は躍動感いっぱいに解き進み、見事正解にたどり着きました。

 考え抜いた結果、答えにたどり着くことは快感です。これは丁寧な解説を受け、手順を暗記して解けたとしても決して得られません。

 苛立ちや諦めといった困難を振り払い、自力で課題を乗り越えようと踏み出す一歩。この一歩を引き出すことが講師の使命だと、改めて感じることができる貴重な時間を頂きました。

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関数はグラフの学習

 個別指導に通う中3生の様子から。

 関数の問題を考える際、当たり前のようにグラフを描き、できるだけグラフ上で考えるように変わってきました。問題を解く力も高まっています。体験授業スタート当初は、関数の問題をほぼ方程式のみで考えており、思うように解けなかったのですが……。座標と変化量の区別すら怪しかったのを覚えています。

 例えるなら、グラフはアナログ時計。ピンポイントで値を出せないことはあるものの、関数で大切な変化・動きの様子を把握するのに優れています。視覚的にパッとわかり、映像として思考できるのがアナログの良さです。

 グラフと方程式。どちらも大切なのですが、やっぱり関数はグラフの学習。思考はグラフ上で行うのが適しています。

 上記の生徒は、関数が見える化されたせいか積極的に取り組むようになり、テスト結果にも反映されました。ほかの要因もありますが、数学が20点ほどアップしています。

 今回は関数の学習についての一例ですが、やり方を変えるだけで驚くほど成果が得られる場合もあります。当たり前だと思っているやり方や考え方……成果が上がらないときは、思い切って変えてみるのもありかも知れません。とにかく、関数はグラフ上で考えるものです。

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割合の学習

 割合が苦手という生徒は多いです。看護学校で教えていた時も、薬剤の濃度など割合を頻繁に指導しましたが、大人になってもやはり出来は良くなかったと記憶しています。

 小学5年生に割合を教え始めました。その生徒は、学校で教わる前に独学で割合を学習したという強者です。

 「25リットルの20%は?」

 25×0.2=5リットル、とすぐに答えが返ってきます。

 「じゃあ、20%ってどんな意味なんだろう?」

 ……??? この質問には答えが返ってきません。答えは出せるのに、その計算の意味がわからない。どの単元でもこういったことはありますが、こと割合においては多いと感じます。どうしてなのでしょう?

 私の個人的な見解ではありますが……。割合を小数から教えることに問題があるのではないでしょうか。この生徒も参考書や問題集から学んだ通りに割合を小数で考えています。

 ×0.2の意味は「全体を1とした時の0.2に当たる数」です。

 何だかわかるようなわからないような……。割合は小数ではなく、分数・比と線分図で考えるものです。これは小学6年時に学びはしますが、最初から教えるべきだと思います。

 当塾では、比まで学習した上で、割合は最初から分数で教えます。線分図を利用して、割合の本質である量的関係をはっきりとつかむには、これが最適だと考えるからです。

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体験授業の意義

 8月初めから体験授業を始め、もう1カ月が経とうとしています。

 体験授業の最大の意義は、言うまでもなく子どもに「この塾でなら学力を伸ばせる、学習を頑張ることができる。」と感じてもらうこと。講師である私、教室の雰囲気、共に学ぶであろう仲間の様子……納得を得るための期間であります。ただ他にも、体験期間を設ける理由はもう一つあります。

 家庭・生活への負担の確認です。

 生活のリズムの変化を体験し、許容できるかどうかを家庭全体で判断して欲しいのです。これは部活や宿題、他の習い事との兼ね合い、就寝・起床時間、食事や入浴時間の変化などの体感です。送迎が発生する場合、その負担も実際に感じてみないとわかりません。

 「家族を犠牲にしてまで習い事をすべきでない」

 これはあるゴルフ教室の先生の考えです。私もまったく同感です。これを体感するには1日2日では意味がありません。1カ月というある程度の期間、継続してみないとわからないものです。

 当塾が1カ月の体験期間を設けるのは、以上の理由からです。

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答えに近づく感覚

 思考パズルに向かう生徒の様子から。

 常に手を動かし続け、行き詰っては消しゴムを使いまたやり直す生徒。一方、じっと考え続け、確実な個所を慎重に見極めて解き進め、ほとんど消しゴムを使わない生徒。大きくこの2パターンに分かれます。

 洋服のボタンをかける場面を想像してみてください。前者は真ん中辺りからかけ始めて、合わなければ全部はずし、合うまでボタンをかけ続ける試行錯誤タイプ。後者は慎重に考えてボタンと穴の端同士を見つけ、そこから先は自然と合っていくタイプ。前者もいずれは端に注目することに気付くでしょうから、教えたりはしませんが…。

 まず、どちらのタイプもストップをかけても止めないほど生徒は集中しており、感心させられます。子どもの知的欲求の大きさは大人の想像を超えているんですね。ただ、パズルの目的は後者タイプの子どもを育てることです。

 どんなに難しい(と感じる)問題やパズルでも、当たり前ですが確実な糸口はあります。そこに気付き、そこから徐々に整理を進め、答えが加速度的に近づいてくる感覚は快感で、私でも「解き終わりたくない!!」と思うほどです。つまり、いわんや子どもは!!ということです。

 パズルや算数・数学を通じ、その感覚を味あわせることができたなら、おそらく子どもは放っておいても伸びていくことでしょう。

学習の意味

 生徒の自己学習の様子から。

 観察していると、「すでにできる問題」に取り組む割合がとても多いことに気付きます。中には「できない問題に取り組むと自信をなくすし、はかどらない」と言う生徒もいます…。

 そもそも学習の目的は何なのでしょうか?

 言うまでもなく「できない問題をできるように変えること」です。できる問題を反復して定着させる場合もあるでしょうが、こればかりでは成長は得られません。また、自信とは強い者に勝ってこそ得られるもので、弱い相手に勝って湧くのは過信や慢心だけ。まして学習は作業ではないので、はかどる・はかどらないを考えることに意味はありません。

 つまり、最初から○が多くつくような学習に大した意味はないのです。

 解けた満足感も時には必要かもしれませんが、それはテストまで我慢しましょう。解けなくても充実感を感じることはあるはずです。できなくてイライラするくらいがちょうどいいのです。

 学習のご褒美はその日その日の○の多さではなく、例え全部×でも一生懸命考えたことで賢くなった自分。その積み重ねがいつか必ずテストの○の数に結びつきます。

 「学習の意味」…考えてみてはどうでしょうか。

体験授業のお誘い

 夏休みもいよいよ終わりです。親御さんにとっては「やっと終わる」という感覚があるのかも知れませんね。

 さて、中学生の数学において、夏休み明けは各学年の仕上げに入る重要な時期となります。

 1年生は、方程式(応用)→比例・反比例→図形

 2年生は、連立方程式(応用)→一次関数→図形

 3年生は、二次方程式(応用)→二次関数→図形

 夏休み前の計算中心の学習を土台とし、その上に関数を仕上げる重要な段階を迎えます。準備はしっかりできているでしょうか?

 当塾は正式な契約前の体験授業を重視します。申し込み時期にもよりますが、約1カ月間は体験期間としたいと考えております。

 9月以降も、「体験してみたい!!」という生徒を募集しております。

意味・本質を知る大切さ

 当塾では思考パズルを多用します。今回はそんなパズルに向かう生徒の様子から。

 例えば、方眼紙上に自由に24マスの長方形を作るとしましょう。縦横は1×24、2×12、3×8、4×6と、約数の組み合わせを考えるのが一般的です。

 そんなパズルを……。

 慣れない中学3年生は、約数の組み合わせをまったく考えず、1・2・3・4……24と、マス目全部を数えて24マスの長方形を作ろうとします。当然思うように解き進みません。

 一方、少し慣れてきた小学2年生は、縦が4マス・横が6マスなどと考えられるようになりました。ちなみにこの生徒はまだ九九を知りません。

 九九を知っているのにそれを使うことができない中学生と、九九を知らないのに掛け算の何たるかをわかり始めた小学生。

 算数では四則演算や小数・分数、割合や速さなど様々なことを学習します。これらを覚えるだけで終わるのと、意味まで深く理解するのとでは、学年が進むにつれて大きな差が生じるんだろうなぁ…と、改めて感じさせられる一幕でした。

算数の大切さ

本日の授業より。

【問】1個120円のリンゴと1個30円のミカンを合わせて20個買ったところ、代金は1230円でした。リンゴとミカンはそれぞれいくつ買ったでしょうか。ただし、方程式を使ってはいけません!!

 ええっ……と思う人が多いのでは。方程式なしでは解けないと思っているのでしょうか。でも、ちょっと考えれば誰でも解けるのです。

 「例えば…」と考え、試行錯誤すればいいのです。

 例えば半分ずつのリンゴ10個、ミカン10個だったら…代金は1200円+300円=1500円。

 ちょっと高いなぁ…よし、値段の高いリンゴを減らそう!

 リンゴ8個、ミカン12個だったら…代金は960円+360円=1320円。もうちょっと安くしたい。

 リンゴ7個、ミカン13個だったら…代金は840円+390円=1230円!!条件と一致したぁ。答えはリンゴ7個、ミカン13個です。

 どうです?意外と簡単でしょう。でも残念ながら、ごく一部ですが、方程式を扱える中学生がこの問題を解けないと言うのです。

 算数の基本は、上記のように可能性を書き出す作業にあると考えます。一見面倒臭そうですが、時に勘を働かせながらだんだんと答えに近づく過程は楽しいものです。規則性に気づくことができればなおのことです。この過程を経験した(考え抜いた)生徒に公式や解法を教えると「なるほど」と納得しスッキリします。しかし、こうした「算数=試行錯誤」を経ずに数学を学ぶと…公式や解法は、ただ覚えるだけのありがたみのないものと感じます。そして、文字式や方程式が何を表わすのかをとらえ切れず、だんだんと数学が苦手になるのです。

 「小学生のうちにもっと算数を学習しておけばよかった」なんて声は何度も耳にしてきました。算数って……多くの人が考えているより、おそらく大切なんです。

ノートはきれいに使うもの?

 生徒の自己学習ノートを見る機会があります。答えのみを書いてあるもの、問題文から解説まで丁寧に色分けしてまとめてあるもの。人それぞれ性格が表れていて興味深いものです。最近では東大生のノートなる本まで現れ、ノート作りが成績を左右する要素として注目されているようです。

 そもそもノートの意味は何なのでしょう?

 多くの生徒は重要なことを記録・まとめをして、忘れたときに見直すツールとして使っているようですが……実は、自分でまとめたノートを見直す学習をしている生徒をあまり見たことがありません。せっかく丁寧に作ったノートが学習に活かされていないことが多いのです。

 なぜ、一生懸命に作った授業ノートや自己学習ノートを見直さないのでしょう?

 これは推測ではありますが……自分で考えてポイントを絞り、わかりやすくまとめたものでないから、乱暴に言うとわかりづらく面倒くさいから読み返す気にならないのではないでしょうか。

 大切なのは、一生懸命考えた結果がノートに表れているのかどうか。東大生のノートが素晴らしいのは、自分の頭で考えて整理してノートに表現しているから。あまり考えずにそのノートの通りにまとめたとしても、おそらく成績には反映されないでしょう。ならば、ノートは考えるステージだと割り切ったらどうでしょう。

 だとすると、きれいにノートを作る意味はあるのでしょうか?

 こと算数・数学に関しては、ノートをきれいに使う必要はありません。考えることが好きな子のノートは雑なものです。計算過程や図表、言葉の説明など書きなぐりが所狭しと並んでいます。

 テストを受けるのはノートではなく自分の頭。ならばノートは頭に負荷をかけ躍動させる運動場とでも考えたらどうでしょう。

中学3年生の苦悩

 夏休み明けに総合テストを控えている中3生。

 学校で購入した受験対策問題集を、あそこもここもと広く復習している姿が目に付きます。「この夏でこれまで全部を復習するぞ!!」と一生懸命さは伝わってきます。しかし、果たしてどれだけのことが身になるのやら…と、ときに心配にもなります。

 中3生が1番陥ってはいけないのは、どの科目・どの単元に手を付ければいいのかを見失った状態。簡単に言ってしまうと、どれも未完成・中途半端な状態です。

 「テスト範囲が広い」「結果が欲しい」

 どうしても広く学習したくなるもの。でも理解が浅くなっては意味がありません。結果、2度手間・3度手間を招くことになります。

 大切なのは長期的な計画と忍耐力。

 数学で考えると、例えば8月は比例・反比例と一次関数、方程式だけを、理解できるまで徹底的に何度でも学習する。その結果、例えば図形は捨てても構わないのです。9月以降に計画通り図形を学習すればいいのです。

 長期的な計画に基づき理解するまで学習を深めることと、結果が出るまで一つのことを継続する忍耐力。中3生に最も必要なことですが、実は最も難しいことでもあります。

 このギャップが中3生の苦悩なのです。

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