「例えば56の約数とか……すぐにわからないんだ。」
小学校高学年の生徒がつぶやくように言いました。7×8とか九九のレベルではなく、14×4=56の14がパッと出てこないといったことのようです。
「慣れだよ。そのうち覚えるし、出てくるようになるよ!」最終的にはこれに近い形になるでしょう。ただ、どう慣れてどう出てくるようになるのか導きが大切になります。
14×4= これは誰でもできるでしょう。
56÷14= これも問題ないでしょう。
□×4=56 これは56÷4と変わりません。
どれも1つに決まる答えを求めるだけなので、ほとんど考える必要がありません。したがって練習効果はあまりないと思います。
私は、□×□=56を考えさせます。
……何も解決になっていませんよね。でもやはり、解決は生徒の頭でしてもらいます。ただ、そのためのステージとして面積パズルを与えます。楽しいパズルで脳をフル回転させて、約数の組み合わせすべてに自分で気付くことを迫ります。また、機を見て□×□×□×□=56を問い、素因数分解へとつなげていくでしょう。
一生懸命教えたら、重要だと伝えたら、生徒は覚えてくれるという訳ではありません。右から左ということも往々にしてあります。やはり覚えるのは生徒自身。「必要は発明の母」と言いますが、「必要」を効果的に迫ることで「発明」を引き出したいと常に考えています。
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