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算数の大切さ

本日の授業より。

【問】1個120円のリンゴと1個30円のミカンを合わせて20個買ったところ、代金は1230円でした。リンゴとミカンはそれぞれいくつ買ったでしょうか。ただし、方程式を使ってはいけません!!

 ええっ……と思う人が多いのでは。方程式なしでは解けないと思っているのでしょうか。でも、ちょっと考えれば誰でも解けるのです。

 「例えば…」と考え、試行錯誤すればいいのです。

 例えば半分ずつのリンゴ10個、ミカン10個だったら…代金は1200円+300円=1500円。

 ちょっと高いなぁ…よし、値段の高いリンゴを減らそう!

 リンゴ8個、ミカン12個だったら…代金は960円+360円=1320円。もうちょっと安くしたい。

 リンゴ7個、ミカン13個だったら…代金は840円+390円=1230円!!条件と一致したぁ。答えはリンゴ7個、ミカン13個です。

 どうです?意外と簡単でしょう。でも残念ながら、ごく一部ですが、方程式を扱える中学生がこの問題を解けないと言うのです。

 算数の基本は、上記のように可能性を書き出す作業にあると考えます。一見面倒臭そうですが、時に勘を働かせながらだんだんと答えに近づく過程は楽しいものです。規則性に気づくことができればなおのことです。この過程を経験した(考え抜いた)生徒に公式や解法を教えると「なるほど」と納得しスッキリします。しかし、こうした「算数=試行錯誤」を経ずに数学を学ぶと…公式や解法は、ただ覚えるだけのありがたみのないものと感じます。そして、文字式や方程式が何を表わすのかをとらえ切れず、だんだんと数学が苦手になるのです。

 「小学生のうちにもっと算数を学習しておけばよかった」なんて声は何度も耳にしてきました。算数って……多くの人が考えているより、おそらく大切なんです。

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